いよいよ受験に向けた学習が本格化する時期を迎え、中学3年生にとって**模擬試験(模試)**は「実力を知る貴重な場」となります。
しかし、模試は「ただ受けるだけ」ではあまり意味がありません。模試の前後の過ごし方こそが、今後の成績向上・志望校合格に直結します。
ここでは、教科別に模試の前後にできること、保護者の皆さまにお願いしたいポイントをご紹介いたします。
■ 国語:読解力は「日々の習慣」で伸びます
模試の前に
文章を読む力は、急には伸びません。毎日少しずつ、小説や説明文を読む習慣が大切です。
保護者の方が一緒に新聞記事を読み合ったり、読んだ内容を話し合ったりするのも効果的です。
模試の後に
模試で間違えた問題の解説を一緒に読み、「どうしてこの答えになるのか」を話し合ってみてください。正解を覚えるだけでなく、「考え方」を理解することが重要です。
■ 数学:ミスの原因を一緒に探すことが成績向上に
模試の前に
数学はパターンの練習がカギです。特に中学3年生は、関数や図形の問題でつまずきやすいので、基本問題の繰り返しが大切です。短時間でも計算練習をする時間を確保していただけると安心です。
模試の後に
「計算ミスなのか、理解不足なのか」をお子様と一緒に確認しましょう。原因が分かれば、次に向けた具体的な対策が立てやすくなります。
■ 英語:語彙と文法の土台作りが合格への近道
模試の前に
英語は単語力と文法力が基本です。英単語の暗記を毎日の習慣にし、可能であれば保護者の方が単語テストをしてあげるなど、関わっていただけると励みになります。
模試の後に
長文読解や英作文で間違えた箇所は、ぜひお子様が内容を音読したり、日本語訳を作ったりする機会を設けてください。自分のミスに「気づくこと」が上達の第一歩です。
■ 理科:用語の暗記と実験問題への慣れが大切
模試の前に
理科は、単純な暗記だけでなく、グラフや表の読み取り問題が出題されます。図表付きの問題集に取り組ませることが効果的です。
模試の後に
模試の結果を見て、苦手な単元を親子で把握することが大切です。たとえば「化学の反応式が弱い」「天体が苦手」など、具体的な課題を共有できると、今後の学習計画も立てやすくなります。
■ 社会:流れと因果関係を重視した理解を
模試の前に
社会は一問一答形式の暗記も必要ですが、歴史や政治などは流れや背景の理解も求められます。テレビのニュースや時事ネタと関連付けて話題にすると、理解が深まります。
模試の後に
お子様が選んだ誤答の理由を一緒に考えてみてください。「なぜこの選択肢を選んだのか」を振り返ることで、知識の定着が図れます。
■ 模試の活用で本番に強くなる!
模試は成績の善し悪しだけに目が行きがちですが、**大切なのは「模試の結果から何を学ぶか」**です。ぜひ、結果に一喜一憂するのではなく、「どこができて、どこが課題か」を親子で共有し、次へのステップにしていただければと思います。
また、模試は「時間配分」「緊張感に慣れる」という点でも重要な訓練の場です。模試前夜や当日の朝は、なるべくリラックスした雰囲気で送り出していただけると、お子様も安心して臨むことができます。
■ 最後に:保護者の支えが最大の力に
受験勉強は長く、時に不安や焦りが生まれがちです。模試は、その「現在地」を知るための大切な道しるべです。結果に対して叱咤するよりも、「よく頑張ったね」「ここを次がんばろう」と励ましの言葉をかけていただけることが、何よりお子様の力になります。
模試を「成績表」で終わらせるのではなく、「次にどう活かすか」という視点で、親子で前向きに取り組んでいただければ幸いです。
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