アイス好きの講師日記18【立方完成・1991東大】

アイス好きの数学講師日記

こんにちは、篠原です

前回の記事立方完成について触れたので今回はそれをメインテーマにしてみます

平方完成

立方完成について喋る前にまずは平方完成の話からおさらいしておきます

平方完成は2次関数の一般形を標準形(基本形?)変形するときによく使われますね

<やり方>

(a+b)2の因数分解に必要な項を作る

y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c

ax2とbxをaで括って

y=a(x2+bax)+cy=a\left(x^2+\dfrac{\;b\;}{a}x\right)+c

()内に+(b/a)2-(b/a)2を作って

y=a{x2+bax+(b2a)2(b2a)2}+cy=a\left\{x^2+\dfrac{\;b\;}{a}x+\left(\dfrac{\;b\;}{2a}\right)^2-\left(\dfrac{b}{\;2a\;}\right)^2\right\}+c

{}内を一部因数分解して

y=a{(x+b2a)2(b2a)2}+cy=a\left\{\left(x+\dfrac{\;b\;}{2a}\right)^2-\left(\dfrac{b}{\;2a\;}\right)^2\right\}+c

aを分配して

y=a(x+b2a)2a(b2a)2+cy=a\left(x+\dfrac{\;b\;}{2a}\right)^2-a\left(\dfrac{b}{\;2a\;}\right)^2+c

ここからp=-b/2a,q=-a(b/2a)2+cとおくと

y=a(xp)2+qy=a(x-p)^2+q

できあがり

はいできました

多分これが最も有名な平方完成な利用法ですね

この変形の何が嬉しいのかというと1次の項bxが消えた点です

よって「xy平面内でy=f(x)をx軸方向へp,y軸方向へqだけ平行移動するとy-q=f(x-p)になる」という事実から

y=ax2の頂点の座標(0,0)はy=a(x-p)2+qでは(p,q)に平行移動していると分かります

まぁ要は頂点が求めれられるわけですね

いつの間にワードプレスはlatexに対応したんや…もしや前からできた…?

<置換>

ここでX=x-pとおいてXy平面にグラフを図示するとどうなるでしょうか

y=aX2+qのグラフは以下のようになり頂点がy軸上に存在するグラフになります

つまりX=x-pの置き換えは一般の2次関数をy軸に関して対称なグラフにする置換だと言えます

立方完成

では今回のメインテーマ立方完成にいってみましょう!

立方完成は本来式変形のことを指し、広く色々な場面で使われていますが今回は一般の3次関数y=ax3+bx2+cx+dについてお話します

<やり方>

・(a+b)3の因数分解に必要な項を作る

y=ax3+bx2+cx+dy=ax^3+bx^2+cx+d

ax3とbx2をaで括って

y=a(x3+bax2)+cx+dy=a\left(x^3+\dfrac{\;b\;}{a}x^2\right)+cx+d
y=a(x3+3b3ax2)+cx+dy=a\left(x^3+3・\dfrac{\;b\;}{3a}x^2\right)+cx+d

()内に+3(b/3a)2x+(b/3a)3-3(b/3a)2x-(b/3a)3を作って

y=a{x3+3b3ax2+3(b3a)2x+(b3a)33(b3a)2x(b3a)3}+cx+dy=a\left\{x^3+3・\dfrac{\;b\;}{3a}x^2+3・\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2x+\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3-3・\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2x-\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3\right\}+cx+d

{}内を一部因数分解して

y=a{(x+b3a)33(b3a)2x(b3a)3}+cx+dy=a\left\{\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)^3-3・\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2x-\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3\right\}+cx+d

aを分配して

y=a(x+b3a)33a(b3a)2xa(b3a)3+cx+dy=a\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)^3-3a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2x-a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3+cx+d

-3a(b/3a)2xとcxをまとめて

y=a(x+b3a)3+{3a(b3a)2+c}xa(b3a)3+dy=a\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)^3+\left\{-3a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2+c\right\}x-a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3+d

xを(x+b/3a-b/3a)に変形して

y=a(x+b3a)3+{3a(b3a)2+c}(x+b3ab3a)a(b3a)3+dy=a\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)^3+\left\{-3a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2+c\right\}\left(x+\dfrac{b}{3a}-\dfrac{b}{3a}\right)-a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3+d

-3a(b/3a)2+cを分配して

y=a(xb3a)3+{3a(b3a)2+c}(x+b3a)+{3a(b3a)2c}b3aa(b3a)3+dy=a\left(x-\dfrac{b}{3a}\right)^3+\left\{-3a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2+c\right\}\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)+\left\{3a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2-c\right\}\dfrac{b}{3a}-a\left(\dfrac{b}{3a}\right)^3+d

ここで

p=-b/3a,q=-3a(b/3a)2+c,r={3a(b/3a)2-c}b/3a-a(b/3a)3+dとおくと

y=a(xp)3+q(xp)+ry=a(x-p)^3+q(x-p)+r

できあがり

はいできました

1つ項が増えるだけでこんなに大変になるんですね

これは文字係数で一般化した式なので複雑ですが、具体的な整数係数3次関数でやると割とやりやすいと思います

1つ例を挙げてみます

y=2x312x2+4x2y=2x^3-12x^2+4x-2

2x3と-12x2を2で括って

y=2(x36x2)+4x2y=2(x^3-6x^2)+4x-2

()内に+12x-8-12x+8を作って

y=2(x36x2+12x812x+8)+4x2y=2(x^3-6x^2+12x-8-12x+8)+4x-2

()内を一部因数分解して

y=2{(x2)312x+8}+4x2y=2\{(x-2)^3-12x+8\}+4x-2

2を分配して

y=2(x2)324x+16+4x2y=2(x-2)^3-24x+16+4x-2

同類項をまとめて

y=2(x2)320x+14y=2(x-2)^3-20x+14

xをx-2+2に変形して

y=2(x2)320(x2+2)+14y=2(x-2)^3-20(x-2+2)+14

-20を分配して

y=2(x2)320(x2)40+14y=2(x-2)^3-20(x-2)-40+14

定数項をまとめて

y=2(x2)320(x2)26y=2(x-2)^3-20(x-2)-26

できあがり

「まぁできなくはないですが係数に分数や累乗根が出てくると結構厳しいなぁ」

そんな風に思う人は次のやり方がおすすめです

<やり方(裏)>

・一度微分した式を平方完成し積分する

y=ax3+bx2+cx+dy=ax^3+bx^2+cx+d

両辺をxで微分して

y=3ax2+2bx+cy’=3ax^2+2bx+c

平方完成して

y=3a(x+b3a)23a(b3a)2+cy’=3a\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)^2-3a・\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2+c

両辺をxで積分して

y=a(x+b3a)3+{3a(b3a)2+c}x+C (C:)y=a\left(x+\dfrac{b}{3a}\right)^3+\left\{-3a・\left(\dfrac{b}{3a}\right)^2+c\right\}x+C (C:積分定数)

これでほぼできてるので以下割愛です

積分定数Cの値はもとの関数と、積分して求めた関数を比較したり適当な数値代入したりで求められます

さっきの例をこれでやってみましょう

y=2x312x2+4x2y=2x^3-12x^2+4x-2

両辺をxで微分して

y=6x224x+4y’=6x^2-24x+4

平方完成して

y=6(x2)220y’=6(x-2)^2-20

両辺をxで積分して

y=2(x2)320x+C (C:)y=2(x-2)^3-20x+C (C:積分定数)

この3次関数が与えられた3次関数と一致するとき定数項が一致するので

2=16+C (162(x2)3)-2=-16+C (-16は2(x-2)^3の展開による定数項)
 C=14\therefore C=14
 y=2(x2)320x+14\therefore  y=2(x-2)^3-20x+14

以下省略して

y=2(x2)320(x2)26y=2(x-2)^3-20(x-2)-26

できあがり

結構やりやすく感じると思います

是非お試しあれ

ではこの変形の何が嬉しいのかというと、勿論2次の項bx2が消えた点です

よって「xy平面内でy=f(x)をx軸方向へp,y軸方向へrだけ平行移動するとy-r=f(x-p)になる」という事実から

y=ax3+cxの変曲点の座標(0,0)はy=a(x-p)3+q(x-p)+rでは(p,r)に平行移動していると分かります

要は変曲点が求めれられるわけですが、正直変曲点を求めるだけなら2階導関数から考えた方が早いです

<置換>

ここでX=x-pとおいてXy平面にグラフを図示するとどうなるでしょうか

y=aX3+cX+dのグラフは以下のようになり変曲点がy軸上に存在するグラフになります

つまりX=x-pの置き換えは一般の3次関数をy軸上の変曲点に関して対称なグラフにする置換だと言えます

東京大学1991

じゃあ張り切って問題を解いていきましょう!

今回は東大の非常に有名な問題です!

是非一度考えてから解答を読んでくださいね!

ここから問題のネタバレがあります(自分で解きたい人は注意)

↓↓↓

はいでは色々考えていきましょう

まず一見すると「めちゃくちゃ簡単じゃね…?これが東大…?」と思う方もいると思います

実際題意は非常に分かり易く、全く手がつかないという人はほぼいないんじゃないでしょうか

しかしこの問題は計算が中々に面倒で、完答を目指すには折れない心確かな計算力が求められます

以下、解答

やばいですね、すごい疲れた

<補足>

  • α,βの代入には次数下げを利用してますが、f(x)をf'(x)で割ってもいいと思います
  • 大小比較では適当に大小を決めた不等式を作り、同値変形してその不等式の真偽を見てます
  • √13の評価はやりたくなかったのに結局やってしまった

では次に別解として変曲点を利用した解答を載せておきます

以下解答

やばいですね、結局疲れた(なんか画質悪いな…)

<補足>

  • 態々立方完成により変曲点を求めてますが、どう考えても2階微分した方が早い。こんな記事書いといて立方完成しないのもおかしいのでやりましたけども。
  • 3次関数の対称性を利用してます。よく畳8畳と言われるやつですが私はあんまりあの呼び名が好きじゃない…。
  • グラフがでかすぎるのはただの私のミス(直すのが面倒だった)。

問題がシンプルなだけに考え方も色々できます

皆さんもオリジナルの解法を考えてみてくださいね!

アイス

GW中に食べた唯一のアイス

年間200個は食べるという設定は何だったのか

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